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企業が知っておきたい外国人労働者受け入れの課題と対策

日本では少子高齢化による労働力不足を背景に、外国人労働者が約230万人に達し、製造・介護・建設・ITなどで重要な役割を担っています。しかし、言語や文化の壁、複雑なビザ手続き、労働・生活環境の未整備などにより、離職や帰国につながる課題も多くあります。

具体的には、多言語対応の教育研修、適切な労務管理、生活・キャリア形成支援、日本語教育のサポートなどを整えることで、定着率と生産性の向上が期待できます。外国人労働者が安心して働ける環境づくりは、企業の持続的成長に直結する経営課題といえるでしょう。

外国人労働者の現状

  • 国籍別:ベトナム(約25%)が最多で、中国(約18%)、フィリピン(約11%)
    近年はミャンマー、インドネシア、スリランカ、ネパールが急増。
  • 業種別:製造業が最多(26.0%)で、サービス業(15.4%)、卸売・小売(13.0%)
    飲食・宿泊業でも高い比率を占めている。
  • 地域別:東京都が最多だが北関東や東海地方でも高く、これらで全国の半数以上を占める。都市圏は多業種、地方は製造業中心という傾向。
  • 在留資格別:「専門的・技術的分野」が最多(31.2%)、次いで「身分に基づく」(27.3%)、「技能実習」(20.4%)。「特定技能」は前年比49.4%増と急増中。

外国人労働者の受け入れ増加で得られる企業メリット

少子高齢化による人手不足が深刻化する中、外国人労働者の採用は企業成長に直結する重要な施策です。

項目 内容 具体例・効果
1. 人手不足の解消 外国人労働者が即戦力として活躍。 介護・建設・宿泊業などで活用。「特定技能」制度により若く意欲的な人材採用が容易に。
2. 社内の活性化 異文化・異経験による新しい視点の導入。 社員のモチベーション向上、創造性アップ。
3. インバウンド対応 多言語対応や接客力向上。 外国人観光客への対応強化。顧客満足度・リピーター獲得につながる。
4. 海外進出の足がかり 言語・文化に精通した人材による支援。 海外市場調査、法規制対応、製品開発など。国際ビジネス展開を円滑に。
5. 政府支援の活用 研修・マニュアル作成・生活支援に補助金活用可能。 コスト抑制と受け入れ環境整備。

外国人労働者を取り巻く現状と課題

一方、外国人労働者の受け入れにはさまざまな課題が存在します。これらを理解し対策を講じることが、持続可能な共生社会の実現には不可欠です。

劣悪な労働環境

外国人技能実習生を中心に、労働環境の問題は依然として深刻です。厚生労働省が2023年に監督指導を行った10,378事業場のうち、73.3%にあたる7,602事業場で労働基準法違反が確認されています。

主な違反内容には、機械の安全基準違反・割増賃金の不払い・長時間労働・年次有給休暇の未取得などが含まれます。

特に建設業や製造業では、安全基準を満たさない環境での作業や過度な長時間労働が問題視されています。このような環境は労災発生率の上昇にもつながっており、外国人労働者が安全教育や労働環境整備の不十分さに直面している現状があります。

主な違反内容 具体例
安全基準違反 機械に安全カバーがない、防護具未着用など
労働時間・賃金 割増賃金未払い、長時間労働、休暇未取得
教育・サポート不足 安全教育・日本語研修が未実施

これらは外国人労働者の健康・安全を脅かし、人権侵害と指摘されるケースもあります。企業は法令順守の下、適正な労働環境の整備に取り組むことが求められています。

低賃金と賃金格差

外国人労働者は、日本人労働者と同等の賃金・待遇で雇用することが法律で定められています。しかし実態としては、賃金格差が依然として存在しています。

2023年の調査によると、外国人労働者の平均月収は約21.8万円で、日本人労働者の約26.4万円より4.6万円低い水準でした。特に建設業や製造業ではこの傾向が顕著です。

一部では最低賃金以下で働かされる事例も報告されており、これが失踪や早期離職につながる要因になっています。国籍に関係なく、最低賃金や社会保険の適用は当然の権利です。

年功序列の評価

年功序列型制度は能力や成果を正当に評価しにくく、外国人労働者のモチベーション低下や早期離職の原因になります。実力に応じた公正な評価制度が必要です。

地方定着の課題

外国人労働者は都市部に集中しており、地方では不足が深刻です。また、地方では文化や言語の違いから地域住民との摩擦が生じやすく、孤立感や偏見につながることがあります。安心して働ける生活環境と日本語支援の整備が地方での定着には重要です。 

受け入れ体制の未整備

外国人雇用の受け入れ体制が整っていないことも、多くの問題を引き起こしています。例えば、就業規則やマニュアルが日本語のみで外国人が理解できなかったり、人事・労務担当者が在留資格や社会保険に関する知識不足で対応できないケースがあります。

主な不足点 影響
日本語以外の就業資料がない 業務内容・労働条件を誤解、トラブルの発生
外国人雇用に関する知識不足 在留資格更新の遅延、社会保険加入漏れなど
文化・生活習慣への配慮不足 定着率低下、能力発揮できず離職に至るケース

コミュニケーション・日本語習得度の個人差

言語や文化の違いは大きな壁となっています。2023年の調査では、外国人労働者と働いた日本人社員の55%が「意思疎通が不十分」と回答。飲食・製造・物流など現場業種では約6割が難しさを感じています。

専門用語や指示が伝わらない、マニュアルが読めない、日本語のみの教育などが原因で、作業ミス・効率低下・離職率上昇につながっています。

また、外国人労働者の日本語能力には大きな個人差があります。日常会話は可能でも、業務上の専門用語や複雑な指示には高度な日本語力が必要になるため、理解が追いつかずトラブルになるケースもあります。

日本語レベル JLPT(日本語能力試験)レベル対比 主な特徴 想定される課題 想定される課題
初級(日常会話程度) JLPT N5〜N4 あいさつや買い物など、基本的な会話は可能 専門用語・安全指示が理解できない 小学校低学年レベル(語彙が少なく、簡単な文しか理解できない)
中級(職場会話程度) JLPT N3〜N2 簡単な業務指示や日常の会話は理解可能 曖昧な表現や「察する文化」が伝わらない 中学生レベル(文法は理解できるが、抽象的な内容は難しい)
上級(ビジネス会話) JLPT N1 日本人とほぼ同等に意思疎通が可能 習得まで時間がかかり、個人差が大きい 高校〜大学レベル(複雑な表現や敬語も理解できる)

漢字圏・非漢字圏による理解差

同じ日本語レベルでも、出身国の言語体系によって理解速度や得意分野が異なります

  • 漢字圏(例:中国、台湾、香港)
     → 漢字や読み書きに強く、マニュアル理解が早い傾向。
     → ただし、会話やイントネーションには苦手意識を持つ人も多い。

  • 非漢字圏(例:インドネシア、フィリピン、ミャンマー、タイなど)
     → 会話や発音は比較的柔軟だが、漢字や複雑な文法理解に時間がかかる。
     → 「読む」「書く」が苦手で、業務マニュアルが負担になる場合も。

→ 企業側は、日本語学習の機会提供や、やさしい日本語での指示などのサポート体制を整えるとともに、採用時には日本語能力(会話力・読解力)・文化理解度・学習意欲など、複数の観点から人材を評価する仕組みが不可欠です。

外国人労働者問題の根本的な原因

外国人労働者をめぐる問題は、表面的な労務トラブルだけでなく、その根本的な構造要因を理解することが解決の第一歩となります。外国人労働者をめぐる問題には、企業側の体制不備や文化的ギャップ、固定観念、差別意識など複数の要因が絡んでいます。

事業者側の人権・遵法意識の不足

最も根本的な問題のひとつが、事業者側の人権意識や法令遵守の意識が低いことです。外国人労働者も日本人と同様に法的に保護されるべき存在であり、権利侵害は決して許されません。

項目 現状の課題 求められる対応
人権意識 労働者を「安価な労働力」として扱う例がある 国籍を問わず人権を尊重する経営姿勢
法令遵守 労基法や社会保険未加入などの違反事例 労務管理・法令遵守体制の強化

偏見と差別の課題

外国人労働者に対して「安価な労働力」という固定観念が根強く残っており、その結果、賃金の不払いや長時間労働といった不当な扱いが生まれやすくなっています。特に技能実習生など立場の弱い層に、その負担が集中しています。

また、在日外国人の約3割が差別的な発言を受けた経験を持つとの調査結果もあり、こうした差別的環境は孤立感や離職につながります。外国人労働者が安心して働き、地域社会に定着するためには、平等な労働条件の確保と異文化理解の推進が不可欠です。

文化・価値観・商習慣の違い

文化や働き方の違いは誤解や摩擦を生みやすく、特に「時間厳守」「暗黙の了解」を重んじる日本と、柔軟性や明文化を重視する文化圏では衝突が起こりやすいです。加えて、日本特有の慣習は理解が難しく、日本語力の不足がさらなる誤解やミスを引き起こします。

項目 日本の傾向 他国の傾向(例) 起こりやすい摩擦
時間感覚 厳守(5分前行動) 柔軟(多少の遅刻許容) 遅刻とみなされる
業務進行 集団で役割分担 個人で成果重視 協調性不足と誤解
指示伝達 暗黙の了解多い 明文化重視 意図が伝わらずミス

外国人労働者の受け入れと定着に向けた取り組み

外国人労働者の円滑な受け入れには、労務管理や文化理解、生活支援など多面的な対策が求められます。 なかでも日本語支援は、すべての基盤となる最も重要な要素です。

日本語支援の充実

    • 言語力不足は、指示の誤解・安全事故・孤立感・早期離職などの原因に
    • 業務用語や職場慣習を学べるオンライン日本語教育を導入
    • 日常会話やビジネスマナーも含めて学ぶことで、定着率や生産性が向上

日本人社員への異文化理解教育

  • 文化的背景や価値観の違いを理解する研修を実施
  • 多様性を尊重する風土を育て、トラブルを未然に防ぐ
  • 基本的な外国語や外国人との対話スキルを身につける

サポート体制の整備

  • 専任の教育担当を配置し、職場ルールや安全基準を丁寧に指導
  • 地域社会と連携し、生活支援や交流機会、日本語学習環境を提供
  • 公平な評価制度と定期的な面談で、やる気と安心感を高める

登録支援機関の活用

  • ビザ手続きや生活支援、日本語教育体制の構築を支援
  • 企業負担を軽減し、安定した雇用と育成を実現

日本語支援が鍵となる理由

文化や習慣の違いを乗り越えるには、言語を通じた理解と信頼関係の構築が欠かせません。日本語支援を中心とした受け入れ体制を整えることで、外国人労働者と企業の双方にとって、持続的で実りある関係を築くことができます。

母国語でのサポートは安心感を与え、法律・税金・保険など誤解が生じやすい分野で特に有効です。
一方で、通訳や専任スタッフの配置は企業にとって大きな負担となるため、オンライン日本語教育など外部支援の活用が現実的な解決策となります。

実際、多くの外国人労働者は日本語能力試験(JLPT)N5レベル=小学校低学年程度の日本語力で入社しています。このレベルを前提にすると、業務理解や安全指示での齟齬が避けられません。

だからこそ、採用後の日本語教育を企業責任として設計・実施することが不可欠です。N5レベルから段階的に実務日本語を習得できる教育支援を、RINXsOnlineでは提供しています。

RINXsOnlineの業種別に特化した外国人材向け日本語教育

RINXsOnlineでは、日本で働く外国人材を対象に、業種別に特化した日本語教育を提供しています。単なる語学習得にとどまらず、現場で即戦力となるための実践的スキル習得までをサポートします。

対応分野

  • 特定技能16分野
    介護/外食業/宿泊/農業/漁業/建設/鉄道/林業
    自動車整備/航空/自動車運送業/飲食料品製造業
    工業製品製造業/ビルクリーニング/造船・船用工業/木材産業
  • その他分野
    IT・エンジニア など
    ※将来的には、物流倉庫の管理・廃棄物処理・リネン製品の供給なども追加予定

対応言語(30言語以上)

🔹多言語での補助サポートすることで、入門〜初級者も安心して学習が開始できます。

英語 / 中国語 / スペイン語 / アラビア語 / フィリピン語 / カンボジア語 / ネパール語 /ミャンマー語 / モンゴル語 / スリランカ語 / インドネシア語 / ベトナム語 / … ほか多数

コースラインナップ

🔹業務内容や学習目的に合わせてカスタマイズが可能です。

  • 会話コース:語彙・表現力を広げ、コミュニケーション能力を強化
  • 仕事の日本語:上司の指示理解、業界専門用語習得
  • 資格取得/評価試験対策:種試験対策、介護福祉士国家試験対策
  • JLPT試験対策:過去問演習+独自カリキュラムで合格支援
  • 特別会話コース:カジュアル〜フォーマルな表現を学び、実務に応用

豊富な講師陣と柔軟な学習スタイル

  • 高いスキルを持つプロ講師陣
    日本語教師・外国人講師ともに経験豊富。業界経験と日本語教育経験を兼ね備えた人材が多数在籍。海外在住・バイリンガル講師を含め、800名以上の規模。
  • 実践型・カスタマイズ可能なプログラム
    日常会話からビジネスシーンまで幅広く対応。ビジネスマナー、異文化理解、プレゼン方法など、ご要望や業種・課題に応じて個別設計が可能。初級から自然に習得できるカリキュラム。
  • グローバルかつ柔軟な受講環境
    オンライン24時間対応で、世界中からアクセス可能。海外在住講師による国際的な学習体制。
  • 安心のサポート体制
    補助金・助成金に関するコンサルティングも専門チームがサポート。

RINXsOnlineは、18分野に対応した実践的な日本語教育を通じて、外国人材が日本で安心して働き、長期的に活躍できる環境づくりを実現します。

RINXsOnline強み(他校との比較)

項目 RINXs 一般的な日本語学校 オンライン日本語スクール
講師数・特徴 800名以上。海外経験豊富なバイリンガル講師、業界経験者多数。24時間対応可能。 約50名。対面授業が中心。日本語を日本語で教える直接法。 約100名。若手講師が中心。オンライン授業が得意。
授業形態 受講生に合わせた学習方法(直接法/間接法)を選択可能。 対面授業中心。カリキュラム固定。 オンライン中心。決まったカリキュラムから選択。
レッスン内容 入門〜上級、日本語ビジネス、JLPT対策、業務用語(建設・介護・製造など)。 入門〜上級、進学コース、JLPT対策。 入門〜上級、日本語ビジネス、JLPT対策、会話コース。
教育費用サポート 助成金・補助金の申請支援が可能。 利用不可。 利用不可。
無料体験 あり(1回)。 各校により異なる(多くはなし)。 あり。
入会金・学費 入会金無料。費用は助成金活用で軽減可能。 入会金5〜10万円。年間85万円前後の学費。 学校による。
企業へのメリット
– 助成金活用によるコスト削減

– 業務直結の実践的日本語教育

– 柔軟な時間対応(24h)

– 定着率向上を支援

– 対面教育で基礎学習に強み

– 学生ビザ発給可能

– 手軽に学習可能

– 若い講師とのコミュニケーション重視



採用実績の紹介

教育機関から国内外の企業・団体まで幅広いパートナーと連携し、日本語教育・人材育成をサポートしてきました。その一部をご紹介します。

          • 教育機関

国公立・私立大学における留学生向け日本語補講や会話コース(N2レベル)、国内外の日本語学校での補講レッスンや入国資料翻訳、さらに研修センターにおける入国後講習、ゼロ初級者向け会話指導などを展開。英会話分野では子ども向け国際交流イベントの実施も行っています。

          • 国内事業者

監理団体・登録支援機関向けには、技能実習生のJLPT N1〜N5試験対策や会話コース(建築・製造・介護・外食など)、仕事の日本語(オフィス編)を提供。また、食品・機械メーカー、人材紹介会社、社労士事務所では、ビジネス日本語やJLPT N4対策、グローバル人材採用サポートを実施しています。

          • 海外事業者

インドネシア、ミャンマー、ネパール、パキスタン、ガーナ、スリランカの送り出し機関と協働し、現地教育や人材育成を支援。さらに、日系企業向けにはタイでのビジネス日本語、シンガポールでの初級/特別会話、フィリピンでのJLPT対策、マレーシアでの駐在員向け英語・中国語、中国でのIT人材向け面接対策を展開。日本語学校や人材紹介会社とは、教育コンサルティング、講師育成事業、人材・留学生紹介サポートなどを実施しています。

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