外国人労働者の国別割合と日本人とどの国の人が合うのかを分析!
こちらの記事で外国人労働者の割合が年々増していることはすでに記述させていただきました。
そこで今回は国別に見るとどの国の方が現在日本で就労しているのか、また性格的にどの国の方が日本人と合うのかを分析してみました!
日本における外国人労働者の国別割合
このデータは、日本における外国人労働者の現状を示しています。このデータから、ベトナムや中国からの労働者が多数を占めていることが分かります。
次に、前年からの増加率が最も大きい国として、特にインドネシアとミャンマーからの増加が著しいことがわかり、日本の労働市場がアジア諸国からの新しい労働力に依存していることが伺えます。
また、都道府県別のデータでは、東京が最も多く54万2,992人(全体の26.5%)で、次いで愛知(21万5,159人、10.3%)、大阪(14万5,384人、7.1%)となっています。大都市圏での外国人労働者の需要が高いことが示されており、特に東京に集中している傾向が見られます。
※広報誌『厚生労働』2024年6月号 引用
アジア各国の英語力について比較!
さて、日本で外国人労働者を雇用する際に重要なことは英語が話せるかどうかも比較要素に入ってくるかと思います。
アジア各国の英語力を徹底比較してみましょう!以下の表EF(エデュケーションファースト)による2023年度の数値です。
EF EPI英語能力指数ランキングは世界最大の成人の英語能力ランキングであり、2023年版では、歴代最多となる113の国・地域から220万人がテストに参加し、その結果をもとに各国・地域の英語能力のスコアとランキングが算定されています。
日本は世界87位でアジア圏の中でも15位と、英語力はとても低いです。
一方アジア圏で10位以内に入ったのはシンガポールのみ。シンガポールはアジアの中で圧倒的に高い英語能力が高い国だということがわかります。アジア圏で2位のフィリピンやマレーシアも英語教育に長けており、日本での労働力の助けになると言えます。
1 | シンガポール | 世界2位 | スコア: 631 |
2 | フィリピン | 世界20位 | スコア: 578 |
3 | マレーシア | 世界25位 | スコア: 568 |
4 | 香港 | 世界29位 | スコア: 558 |
5 | 韓国 | 世界49位 | スコア: 525 |
6 | ネパール | 世界57位 | スコア: 507 |
7 | ベトナム | 世界58位 | スコア: 505 |
8 | バングラデシュ | 世界60位 | スコア: 504 |
9 | インド | 世界60位 | スコア: 504 |
10 | パキスタン | 世界64位 | スコア: 497 |
11 | スリランカ | 世界69位 | スコア: 491 |
12 | カザフスタン | 世界73位 | スコア: 487 |
13 | 台湾 | 世界76位 | スコア: 482 |
14 | インドネシア | 世界81位 | スコア: 474 |
15 | 日本 | 世界87位 | スコア: 457 |
16 | 中国 | 世界94位 | スコア: 447 |
17 | モンゴル | 世界98位 | スコア: 436 |
18 | カンボジア | 世界103位 | スコア: 428 |
19 | ウズベキスタン | 世界105位 | スコア: 421 |
20 | タイ | 世界106位 | スコア: 419 |
日本人と性格が合うのはどの国?
日本人と性格的に合う外国人労働者の国籍については、一概に特定の国を挙げることは難しいですが、文化的な共通点や労働環境での相性が影響します。一般的に、日本人と性格や働き方で合うとされる国籍としては、以下のような国が挙げられます。
フィリピン
フィリピン人は明るく社交的な性格で、人と接する仕事に適しており、日本でも特に介護やサービス業で活躍しています。また、フィリピンは英語が公用語であり、英語でのコミュニケーション能力が高いことから、多国籍な職場でもコミュニケーションが取りやすい点が評価されています。フィリピン人は家族を大切にし、協調性を重視する文化を持っており、チームワークが求められる日本の職場にも適応しやすい特徴があります。
さらに、日本の文化やマナーにも順応しやすく、職場での礼儀を大切にする姿勢が評価されています。介護や医療分野では思いやりや柔軟性が求められますが、フィリピン人は人懐っこく親しみやすい性格が活かされ、利用者との信頼関係を築きやすいです。これらの特性から、日本でのフィリピン人労働者の需要は今後も増加が見込まれています。
人口: 約1億1,000万人
首都: マニラ
主な宗教: キリスト教93%(うちカトリックが83%)、イスラム教5%、その他2%
ベトナム
ベトナム人は、勤勉で真面目な性格と高い学習意欲を持っており、日本の労働環境に適応しやすいと言われています。また、若い世代が多く、体力や持久力が求められる作業にも対応できることが特徴です。日本には技能実習生として来日するベトナム人が多く、製造業や建設業、農業などの現場でその能力を発揮しています。
さらに、ベトナム人は礼儀正しく協調性を重視する文化を持っており、日本の職場環境やチームワークを尊重する姿勢が評価されています。日本語習得に熱心で、コミュニケーション能力も高く、職場での信頼を得やすい点も強みです。こうした特性から、日本の産業界ではベトナム人労働者の受け入れが進み、今後も日本社会にとって重要な人材として期待されています。
人口: 約9,800万人
首都: ハノイ
主な宗教: 仏教約50%、無宗教約30%、キリスト教8~10%(主にカトリック)、その他10%未満
ミャンマー
ミャンマーは仏教徒がほとんどを占める国(9割以上)で、思いやりがある人が多く、温和で言われたことはしっかりとこなす国民性です。 日本人にも通じるところがあり、親日国でもあり日本人にも馴染みやすい国です。 あいさつの言葉がないという違いはありますが、文法的に日本語と似ているので、日本語の習得は早い傾向にあります。
またミャンマーでは2021年2月に軍事クーデターが発生し、民選政権が軍により倒されて以降、情勢が大きく不安定化しています。軍政に対する反発から国内各地でデモが発生し、これに対して軍は厳しい弾圧を行っています。人権侵害や治安悪化が深刻な問題となり、特に民主派や少数民族に対する迫害が増加しています。これにより、国内の多くの人々が生活や安全を脅かされ、避難を余儀なくされている状況が続いています。
こうした背景から、多くのミャンマー人が日本を含む安全な国への避難を希望しています。日本では、技能実習生として来日するミャンマー人が増加しており、日本政府も一部の避難者に対して在留資格の緩和措置を行うなど支援を強化しています。ミャンマー人コミュニティの中で支え合いながら、日本で新しい生活を築こうとする人々が増加しているのが現状です。
人口: 約5,400万人
首都: ネピドー
主な宗教: 仏教90%、キリスト教6%、イスラム教4%(ロヒンギャを含む)
ネパール
ネパール人は勤勉で礼儀正しく、温厚な性格が特徴とされることが多く、日本の労働環境にも適応しやすいとされています。また、多くのネパール人が英語を理解できるため、コミュニケーション能力が高く、外国人労働者としての評価が高まっています。特に、日本の技能実習制度を利用して来日するネパール人が増えており、建設業、製造業、介護業など幅広い分野で活躍しています。
さらに、ネパール人は手先が器用で忍耐強く、細かい作業や体力を要する業務にも適しています。日本の文化やルールを尊重する姿勢を持ち、職場において信頼されやすい点も日本での労働に向いているといえます。こうした特性が評価され、ネパール人労働者の増加傾向は今後も続くと予想され、日本社会にとっても重要な存在となっています。
人口: 約3,000万人
首都: カトマンズ
主な宗教: ヒンドゥー教81%、仏教9%、イスラム教4%、キリスト教1%
インドネシア
インドネシア人は、家族を大切にし、助け合いの精神が強い国民性を持っています。彼らは温厚で明るい性格であり、協力的でチームワークを重視する文化が根付いているため、日本の職場環境に馴染みやすいと言われています。また、イスラム教徒が多数を占めるため、宗教的な慣習を尊重しながら働ける環境が整っている職場では、特にその実力を発揮できるでしょう。
日本では特に介護、製造業、飲食業などで多くのインドネシア人が活躍しており、仕事に対する意欲が高いことが評価されています。また、日本語学習に積極的で、日本語のコミュニケーション能力を向上させようとする姿勢も見られます。こうした特性から、日本での労働においてインドネシア人は重要な人材となっており、今後もさらなる活躍が期待されています。
人口: 約2億7,300万人
首都: ジャカルタ
主な宗教: イスラム教87.2%、キリスト教9.9%(プロテスタント7.0%、カトリック2.9%)、ヒンドゥー教1.7%、仏教0.7%
上記赤字に記載しましたがご覧の通りインドネシアの方は8割以上がイスラム教徒です。イスラム教徒のかたとお仕事する際は以下の点に留意が必要です。
1. 礼拝の時間
イスラム教徒は1日に5回(夜明け、正午過ぎ、午後、日没後そして夜)礼拝を行います。多くの日本企業には専用の礼拝スペースがないため、事前に雇用者と礼拝のタイミングや場所について相談しておくと良いでしょう。昼休みなどの休憩時間を活用できるよう、職場の理解を得ることが重要です。
2. 食事制限(ハラール)
イスラム教ではハラール(合法)の食品が求められ、特に豚肉やアルコールは禁止です。社員食堂や外食が必要な際は、ハラール対応のレストランや食品を調べておくと便利です。また、弁当を持参するなどして工夫する方も多いです。
3. 断食(ラマダン)
ラマダンの時期には、日中の飲食を控えるため、体力や集中力が影響を受けることがあります。この点について職場に説明し、休憩時間や業務時間の調整が可能であれば相談しておくと良いでしょう。
4. 服装の配慮
ヒジャブ(頭のスカーフ)などの服装について理解を求める場合もあります。日本では宗教的な服装が珍しいため、事前に職場での許可を確認することをおすすめします。
5. 職場でのアルコールに関する行事
日本の企業では飲み会(歓迎会や忘年会)が多く、アルコールを含むことが一般的です。イスラム教徒はアルコールを避けるため、飲み会の際には事前に参加の可否や飲食について確認しておくと良いでしょう。
6. 宗教行事の配慮
イード(断食明けや犠牲祭)のような重要な宗教行事の日には休暇が必要な場合もあります。事前に会社に説明し、予定を伝えておくと配慮してもらいやすいです。
これらを踏まえつつ、職場とオープンにコミュニケーションを取ることで、信仰を尊重しながら日本で快適に働ける環境を築くことが可能です。
スリランカ
スリランカ人は、温厚で忍耐強い性格が特徴であり、日本の職場にも適応しやすいと評価されています。彼らは協力的で勤勉な姿勢を持ち、特に製造業や建設業、サービス業で活躍しています。また、スリランカでは英語教育が広く普及しているため、英語によるコミュニケーション能力が高く、多国籍な職場環境でもスムーズに業務をこなせる点が強みです。
宗教的には仏教が多く、礼儀や道徳を重んじる文化があるため、日本の価値観に共通点が多く、職場での人間関係を築きやすい傾向があります。また、日本語学習に対する意欲も高く、日本語能力試験(JLPT)の取得を目指す人も増加しており、日本での業務においてもコミュニケーションが取りやすいです。こうした特性から、スリランカ人は日本での労働において重要な役割を果たせる人材として期待されています。
人口: 約2,200万人
首都: スリジャヤワルダナプラ・コッテ(実質的な主要都市はコロンボ)
主な宗教: 仏教70%、ヒンドゥー教12.6%、イスラム教9.7%、キリスト教7.6%
韓国
韓国人は、勤勉で向上心が強く、責任感を重んじる性格が特徴です。日本のビジネス文化に近い側面を持っており、礼儀や時間を守る姿勢が評価されやすく、日本の職場環境にも適応しやすい傾向にあります。また、韓国は日本と同様に集団意識が強く、チームワークを大切にするため、日本企業の求める協調性にも応えやすいです。
さらに、韓国人は教育水準が高く、特にITやエンジニアリングなどの分野に優れた技術を持つ人材が多く、日本企業でもその専門知識が評価されています。日本語学習にも意欲的で、日本語能力試験(JLPT)の資格を持つ人も多く、コミュニケーション面でも強みがあります。こうした特性から、韓国人労働者は日本で即戦力として活躍できる人材とされ、今後も需要が高まると期待されています。
人口: 約5,200万人
首都: ソウル
主な宗教: キリスト教27.6%(プロテスタント19.7%、カトリック7.9%)、仏教15.5%、無宗教56.9%
まとめ
外国人労働者の相性については、国ごとに文化的な特徴や一般的な傾向が見られますが、実際の職場での相性の良さは、最終的には個々の性格や職場環境に大きく依存します。国籍や文化の違いは、職場での協力を促進するための理解の一助となるものの、個々の適応力やコミュニケーション能力が円滑な人間関係には欠かせません。特に多様な人材が集まる環境では、オープンな姿勢と柔軟な対応力が、円滑なチームワークを築くための鍵となります。国籍に関係なく、共に働く人々の個性やスキルを尊重し、成長を促す環境を作ることが、成功する職場作りにとって重要な要素です。
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